【住所】神奈川県厚木市
【HP】食べログ
アッサリした豚骨ラーメンが食べたくなった。厚木一番街路地にある「麺処明かり家」のラーメンがふと頭に思い浮かんだ。
この店は吉本家→2代目吉本家→慶→明かり家と店舗が変わっていった歴史を持つ。ビル上階はミステリアスな大人の店。
ビル最下階の店内に入ると、お洒落になった慶時代インテリアの面影が少し残っている気がする。
カウンター席では常連らしき客が1人いて、店主と話をしている。
食券機一番左上にある「ありがとうらあめん」のボタンを押して、出てきた食券を店主に渡した。ラーメンの名前がいいね。
ありがとうらあめんに入っているあおさが全国的に不作なため、「海苔2枚と小松菜か、海苔2枚と味玉に変更しますが、どちらがよろしいですか?」と聞かれたため、味玉でお願いしますと答えた。
あおさだけでなく、海苔も今年は不作というニュースを見た。
昨年秋から冬にかけて海水温が下がらなかった影響から一部で成育中の海苔やあおさが腐る現象が発生し、生産量が減少したとのことだ。
また大手業者による買い占めも発生し、価格が高騰した。その影響が、明かり家のような個人店を直撃したというわけだ。
ありがとうらあめん 700円
漆黒で高さが深めのお洒落な丼の中に、美味しそうなチャウシュウと、オレンジポップな高そうな味玉が目立っている。
豚骨、鶏ガラ、人柄でとったスープには豆乳の隠し味が入っているとのこと。
スープは相模原にあった豚骨ラーメン屋の「大子」に味が似ている。似ているも何も、大子で働いていた店員の出店らしい。
大子よりも動物出汁濃度はライトで、スープがまろやかな方向となっている気がする。
この円やかアッサリ豚骨スープはとても飲みやすく、甘い醤油タレが豆乳と合わさって、なんとも優しい味わいになっている。
博多ラーメンの麺のようなコシがある加水率低めのもので、替え玉もある。
具はチャウシュウと味玉、極厚メンマ、ネギ、ゴマ、この海藻、テングサ?トサカノリ?
特にチャウシュウと味玉が素晴らしかった。全体的にかなりいい素材を使っている印象。
ただ残念ながら、こちらの店は今月5月いっぱいで閉店するらしいのだ。どうやら北海道札幌市に移転する様だ。飲食店をやってる人のそういう遊牧民的な生活スタイルが羨ましい部分もある。
何かの導きで、この店のラーメンを偶然食べることができた。トマトらーめんも食べたかった…。
もう厚木ではこのラーメンを食べられないけれど、最後にこの味の記憶をブログに残せて良かったと思う。店が閉まるってとっても悲しい。
今までお疲れ様。
新天地でのご成功を願っております。
ごちそうさまでした。